鼻からの胃カメラ

2011年2月17日

一番多いご質問ですが、当クリニックの経鼻内視鏡システムはつくば市内でも最新のものを導入しております。経口内視鏡も行っておりますが多くの患者さんが鼻からを希望され、楽に受けられたとご評価いただいております。
 
 また患者さんから「経鼻内視鏡ではよく見えないのではないか」とご質問をいただきます。CMなどでは経鼻内視鏡の長所だけが強調されています。確かに経口内視鏡は画質の面では経鼻内視鏡よりも優れています。初期の経鼻内視鏡は暗い、視野が狭い、硬くて鼻が痛くて思ったより辛かったなど問題点はありましたが現在ではこれらの問題点はほぼ解決されています。特に視野角の点では経口内視鏡が140度であるの対して経鼻内視鏡は120度と狭く、同じ視野を得るためには胃壁から離れて観察しなければならず必然的に画質の低下を余儀なくされました。我々内視鏡医はその問題を解消するために出来るだけ胃壁に近づいて観察をするように心がけました。当然観察のための時間が経口よりも長くなり3分なら5分、5分かかるところは8分かけて観察するわけです。そのような経鼻内視鏡の特性を熟知したうえで検査を行うことで経鼻内視鏡の欠点をカバーしてきたのです。経鼻内視鏡が普及し始めの頃はそれらの特性を知らずに安易に検査をする内視鏡医もいたため見逃しなどが指摘された時期もありました。
 しかし最新の内視鏡では視野角も経口と同様140度になり経鼻であることを意識しないで検査が可能になりました(ホームページの内視鏡画像で比較していただければ一目瞭然です)。それでも経口内視鏡が画質の良さで優れていることは事実です。以前勤務していた病院ではさらに高機能な拡大内視鏡を使用することもありましたし、内視鏡治療において病変の範囲を確実に診断するために不可欠でした。このように内視鏡も様々なタイプが登場し、その機能により色々な場面で使い分けをするようになったのです。経鼻内視鏡の素晴らしい点はやはり患者さんの苦痛が少ないことでしっかりと観察できる点ではないかと思います。どんなに高性能であっても嘔吐反射で苦しがっている患者さんの胃の中を観察することは容易ではありません。
 
 またこれは個人的な見解ではありますが内視鏡が最新のものかどうかというよりも、早期胃がんをいかに見つけるかという点で一番大切なことは、(当たり前のことですが)できるだけ多くの早期がんを見つけて、観察し経験を積むことだと考えております。極端な話早期胃がんを見たことのない人がどれほど高性能の内視鏡を使ったとしてもその診断をすることは難しいということです。私たち内視鏡専門医は常日頃より多くの胃がんを見つけだすことで内視鏡検査精度を向上させるよう切磋琢磨しています。多くの施設で経鼻内視鏡が行われるようになりました。安心して内視鏡検査を受けていただければと思います。

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