風疹ワクチンが不足しています

2013年5月27日

風疹は5年毎に流行すると言われていましたが、2011年アジアでの流行きっかけに2011年のわが国の風疹患者報告数378人から2012年は2,392人と6.3倍となりました。今年はさらに拡大傾向で5月12日現在で報告数は6,725人とすでに昨年の2倍以上となっています。罹患者の70%は20代から40代の男性と言われています。

その理由はわが国の予防接種法の変遷にあります。1977年8月~1995年3月までは中学生の女子のみが風疹ワクチン定期接種の対象でしたが、風疹の罹患時期は5~9歳が多く、子供間での流行を防ぐことが必要と考えられたため1995年4月からその対象は生後12カ月以上〜90カ月未満の男女(標準は生後12カ月〜36カ月以下)に変更になりました。経過措置もとられましたが十分な接種の徹底には至りませんでした。
そのため
① 1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性…この間は女子中学生のみが対象でしたので特に注意が必要です。
② 1979年4月2日から1987年10月1日生まれの男女…集団接種から医療機関での個別接種になったため接種率が低下、接種したかどうか確認が必要です。
③ 1987年10月2日から1990年4月1月生まれの男女…接種率は改善しましたが未接種や1回のみの接種の可能性があります。

成人が風疹にかかると症状が重い場合もありますが基本的には予後良好な疾患です。
ただし妊娠初期の女性が感染した場合は、胎児にも感染し、心臓病、白内障、聴力障害など伴って生まれてくる可能性があります(先天性風疹症候群)。
妊娠初期1ヶ月では50%以上、2ヶ月では35%、3ヶ月で18%の確率と言われています。
妊娠中はワクチン接種ができません(添付文書に「妊娠可能な女性は、1か月間避妊したあとに接種、接種後2か月間は妊娠しないよう注意」と書かれています)ので、周囲の人間が予防をすることで感染を避ける必要があります。

もっとも有効な予防法は風疹ワクチンの接種です。
当院にもかなりのお問い合わせをいただいております。しかし残念ながら現在風疹ワクチンが不足しており、ご予約いただいた分の発注をかけている状況ですがそれでも入荷をお待ちいただいている状況です。麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)はまだ風疹ワクチンほど不足はしていないようですが多くの医療機関に行き渡るように予約分のみ発注をしておりますのでいつも在庫があるわけではありませんのでご了承ください。

ワクチンは接種後3週間ほどで95%が免疫を獲得し、15年ほどは持続します。また風疹に一度罹患した人でも再感染を起こすことがあります。成人の風疹の5%が再感染とも言われています。
風疹は2~3週間の潜伏期のあと、発熱、発疹、リンパ節腫脹(とくに耳の裏)が3主徴と言われています。発疹の出る前の3日間、発疹が出て5日間はとくに感染の危険性が高いため妊婦に近づくのは避けましょう。発疹が消失するまでは人との接触は避けましょう。

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