- つくばの内科 HOME
- お知らせ一覧
- お知らせ記事詳細
感染性胃腸炎が流行っています
- 2013年12月26日
-
今年も残すところ1週間足らずとなりました。何かと慌ただしく過ごされている方も多いのではないでしょうか。無理は禁物、体調管理に注意してください。現在のところインフルエンザの流行はまだのようですが嘔吐、下痢などの感染性胃腸炎が流行っているようです。ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎ですので抗生剤は効きませんが、症状が強くとも1~2日で軽快することがほとんどですのでその間マメな水分摂取を心がけてください。水分摂取困難な方は脱水などで点滴が必要となることもありますからその際は医療機関を受診してください。
今年2月のつくまる医療相談室に掲載した文章を転載しますので参考にしていただければと思います。
ノロウイルスは特に11月から2月に流行します。カキなど二枚貝や汚染された食品による集団食中毒が報道されますが、多くは人から人への感染で拡がっていきます。感染力は強くウイルス10~100個でも感染します(嘔吐物1gに100万個以上、便には1億個以上)。潜伏期は1~2日、激しい下痢や嘔吐、腹痛、発熱で発症します。イオン系飲料などを摂取し脱水を予防すると1~2日で自然治癒しますが治癒後1~3週間はウイルスが便に排出されます。ワクチンもなくアルコール消毒もあまり効果がないため予防の基本は食事前やトレイ後の手洗いを徹底することです。指先、指間や手首まで30秒以上かけてしっかり石鹸で洗いましょう。トイレや器具の消毒には次亜塩素酸(ハイターなどを希釈)が有効です。85℃以上1分以上の加熱も有効です。嘔吐物が乾燥するとウイルスが舞い上がり空気感染の危険があるので出来るだけ早く処理します。使い捨て手袋、マスクなどを着用し、嘔吐物をしっかり新聞紙などで覆ってから消毒しましょう。流行してからではなく日頃から手洗いを習慣づけることが一番の予防策です。またノロウイルスに感染しているか検査を希望されて受診をされる方もいらっしゃいます。
ノロウイルス抗原迅速定性検査「クイックナビ-ノロ」が昨年4月に保健収載されました。しかしすべての胃腸炎患者さんが対象ではなく、重症化しやすい3歳未満の乳幼児、65歳以上の高齢者が対象となっていますのでご了承ください。ノロウイルスに対する特効薬はありませんので他のウイルス性胃腸炎と同様に整腸剤などの対症療法が中心となります。
